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会員の皆様へ 当学会からのメッセージ

  • 2021.10.28

日本新生児看護学会会員各位

 コロナ禍におけるNICU:学会からのメッセージ
                              日本新生児看護学会理事長 内田美恵子

 新型コロナウイルス陽性妊婦が出産した早産児の死亡という痛ましい報道から、全国の周産期母子医療センターでは感染妊産婦の受け入れ要請が強くなり、NICUや新生児病棟で勤務する会員の皆様におかれましては、心身共に厳しい日々をお過ごしのことと存じます。
長引く自粛生活によるストレスと第5波の急激な感染増は心身の疲弊につながり、職場離脱やメンタルケアが必要なスタッフも少なくないと聞き及んでいます。また、NICUでの面会や父親の分娩立ち会いの制限を余儀なくされ、看護実践に対する葛藤もあることでしょう。ご家族と赤ちゃんの微笑ましい交流の姿を見る機会が減り、皆様の心のエネルギーの消耗が危惧されます。
日本新生児看護学会としては、会員の皆様のサポートをしたいと考えています。ぜひ、学会ウェブサイトのお問い合わせフォームから、学会に対するご要望やご意見をお寄せください。“コロナ禍での苦悩や工夫”なども含めて、皆様の生の声をお聞かせください。当学会として何ができるのか、積極的に新型コロナウイルス感染症に関連した問題を検討するための貴重な情報として活用してまいりたいと思います。宜しくご協力の程お願い申し上げます。
 また、一部の施設では、保健所から「新型コロナウイルス陽性妊婦から出生した新生児を一律に濃厚接触者扱いするように」との指導を受け、対応に苦慮しているというご相談が私の所に届いています。取り扱いについて、2021年8月10日付で関連学会から推奨が出ておりますので、別添資料をご確認いただき、新生児にとって最善の選択がなされるよう、ご対応をお願い申し上げます。

別添資料
「新型コロナウイルス陽性妊婦から出生した新生児の取り扱い」について
新型コロナウイルス陽性妊婦から出生した新生児の取扱いについては、日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会、日本新生児成育医学会より、2021年8月10日に発表された、“新型コロナウイルス感染症(COVID-19)第 5 波 医療体制のひっ迫に際しての妊婦のコロナ感染症に対する対応のお願い (続報)”Microsoft Word – 第5波コロナ陽性妊婦とその新生児の取り扱いについてV続報_0810発出版 (jsnhd.or.jp)を参考にしてください。
この指針によると、「新型コロナウイルス陽性が判明している妊婦では、出生直後から母親から新生児 を隔離し、保育器隔離もしくはコホート隔離することによって、新生児は濃厚接触者 扱いとはなりません。ただし、分娩時に妊婦が新型コロナウイルス陽性であることを 知らずに早期母子接触や直接授乳などすでに濃厚接触している場合は濃厚接触者として扱います。」とあります。ご施設で新型コロナウイルス陽性妊婦の新生児が出生した際には、この推奨を参考に、新生児にとって最善の選択がなされるよう、十分に検討した上での対応をお願い申し上げます。